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東京書芸学園スタッフブログ

ランフェスと寸松庵

2018/03/06

たいへんご無沙汰しています。指導部の村上です。

2016年8月以来のご挨拶ですので、かれこれ一年半のご無沙汰をしていたことになります。

もう昨年のことになりますが、2017年5月に初挑戦のイベントに参加しました。

「箱根ランフェス2017」といって、芦ノ湖をめぐる「芦ノ湖スカイライン」を走る短距離ランです。

参加種目は20キロを走る「富士ビューラン」と7.5キロを走る「三国峠ラン」の2コースで、
私が参加したのは「三国峠ラン」でした。
どちらも42キロを走るフルマラソンではないので「ランフェス」と銘打ったイベントです。

季節は5月、当日は朝から青空が突き抜けていました。
朝4時起床で7時スタート。

宿からバスでスタート地点に移動すると、続々人が集まってきます。
スタート近くのキャンプ場は大賑わい。選手でごった返してトイレも大混雑!

初めに20キロのスタート
(実はここに息子が参加していて学生時陸上部の彼はヤワな7.5キロを父に譲りました)
号砲と共に軍勢が去っていきました。

その10分後にいよいよスタート。




マラソンの谷川真理選手が来ていて、スタートゲートの前から皆を激励。

「がんばろう」の声に何百人が拳を突き上げて「オー!」と言ったときは、
見知らぬ者同士ながら一つの目的に向かう連帯感のようなものがあって俄然ファイト満々。

バン!とピストルが鳴って一斉に走り出した時の
今度は孤独な緊張感と不安は未体験ゾーンの瞬間でした。

7.5キロは普段慣れている距離なのでと思っていたら、これが間違い。

なんと折り返し地点の三国峠まで上り坂コースで死ぬ思い。
景色を眺める余裕もなし。けれども帰りは下り坂で、こんな感じです。



8時過ぎにやっとのゴール。平地と坂道の違いを思い知らされたランでした。

記録は1時間47秒で118位。遅!
それでも完走証をいただいて、ほっとしました。

話は変わって書の話―

東京に貞享年間(1684~88年)から続いている書店があると磯田道史の著作に発見しました。

東京でも最古の書店とか。まあ、そんな店でなくても古書店は便利です。

昨年書道展に寸松庵を20首臨書したものを出しましたが、
寸松庵は模写本を含めて43首が現存すると聞いています。

臨書のもとを二玄社の原色かな手本によりましたが、そこには22首が掲載されていますので、
ではあとの21首はどんなだろうと当然思います。で、古書店へ。

ときどきは古書店へいって書道関係の本を買いますが、いたって安いものばかり漁ります。

田中親美複製「継色紙」25万なんて物はため息ばかりです。千円二千円のものでも、
昔のロコタイプ印刷できれいに線が出ているのを見ると買ったりします。

その昔、宮原祥翠先生が皇甫誕碑のそうした法帖を示して
「これは今の本では出ていない線です」と話されていたのを思い出します。

さて、そうやって寸松庵を見つけて38種を臨書。



原色法帖にはない一首ですが、実はこれ田中親美複製の一首だと後でわかり、
寸松庵の原本ではなかったわけです。

古いものはよく調べてみないと分からないですね。

書もジョギングも続けることが大切です。

続けることで何か発見があり、嬉しいものだと思います。

それではこのへんで。

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