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東京書芸学園スタッフブログ

ネットと書道

2015/11/21

お久しぶりです。鍵山です。
土日も学園の授業があり、遠出した思い出もあまりないので
最近ネットニュースなどで見かけた書道に関わる話題を紹介したいと思います。



まずは、中国で少し前に話題になったとっても難解な文字のお話からです。


この話題の字の総画数は56画あるそうです。

西安あたりの郷土料理の名前に使う字、というかなり限定的な使い方をされています。

発音は[biang](ビャン)と読むそうで、
ビャンビャン麺というきしめんのような麺料理の名前に使われています。


この字には、長く語り継がれた伝説があるそうです。

昔、ある貧しい書生がこの地方に出向いた際に、
「ビャンビャン麺」を注文しましたが、支払うお金がないのに気づきます。
そこで、「biang」という文字を書けたら食事代を勘弁してくれるよう店に交渉します。


 「biang」の伝説として、その時書生が言った台詞が今も残っているそうです。


「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。
左に一ひねり、右に一ひねり、西に長一つ、左に長一つ、中間に馬大王が座る。
心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに麻糖をかけ、車に乗って咸陽へ向かう」



...どんな字か想像もつきませんね。
実際の字はこちら






書いていくうちにどんどん縦長になっていきそうな字です。



さらに、日本や中国含めて画数の多い字ってどんな字なんだろうと調べたところ、
日本には、苗字として使われていたとされる字で84画の「たいと(だいと)」という字があるそうです。
それがこちら。





実在性は定かではないそうですが、実在したら名前を書くだけで何分か掛かってしまいそうです(笑)



それ以外にも中国では今は使われていないものの、「田」を16個に「回」を8個書くという
「ホウ・ビョウ」という漢字もあるそうです。(総画数128画だそうです・・・)



漢字というより見た目がビンゴカードみたいです。
気になった方は、是非書いてみてくださいね。



次は、スマホのアプリのお話です。


突然ですが、変体仮名は読めますか?
私はみなさんの清書を拝見していて、ほんのちょっとだけ分かるようになりましたが、
まだまだほとんどが何の字かわかりません。


先日の紅霧書展の席上揮毫で新倉先生が「いろは歌」を揮毫してくださいましたが、
いろはにほへと...と数えていかないと何の字だか...
先生の解説抜きには「この字なんだっけ?」といった状況でした。


そこで最近ニュースでみかけた、とあるアプリを使ってみることにしました。

その名も「変体仮名あぷり」。そのままの名前です。


こんな漢字で変体仮名がまず画面に表示されます。
文字の上で右から左にポンと押すと、字母と読み方が出てきます。
これを少しずつ繰り返して変体仮名を覚えるというアプリです。


早稲田大学文学学術院とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究で
開発されたアプリで、ユニクロの会長である柳井正氏の寄付を受けて作られたそうです。


無料のアプリだったので、すぐにダウンロードして使ってみていますが、
ちょっとした時間に見れるのでなかなか便利です。


パソコンやケータイの利便性に頼ることが多く、手書きの文字が疎かにされがちですが、
こういった便利なものを上手に使いながら美しい文字を学習できるといいですね。



長くなったので、今回はこのへんで。
また書道に関するニュースを見つけたらご紹介したいと思います。

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