2013/12/17
指導部の村上です。
今年も残すところわずかとなりました。
今年一年、振り返って、如何でしたでしょうか。
え?一年がだんだん短くなる、なんて声も聞こえています。
ともあれ、今年が過ぎていきます。そして、どうぞ良いお年をお迎えください。
いえいえ、これで終わりではありません。
危ないところでした。
大別して墨には2種類あって、墨色が茶系と青系にわかれるということと、古墨という墨について少しお話ししたかと思います。
といって書道の歴史や指導法といった講義を行ったりしていますが、文房四宝についてもお話をします。
その時は、筆やら、墨やら、硯やらを持ち出して、生徒さんに触れていただきます。
筆の毛質、硯の表面、紙の感触などです。言葉でお伝えするよりも、実際に触れていただくのが一番です。すぐに分かって貰えるからです。
しかしここでは皆さんに触れていただくことはできないので、筆、紙、硯はお伝えできませんが、墨、それも固形墨については写真を見てお分かり頂けますので、お話しいたします。
墨(固形墨のこと。以下同様)は沢山の種類があります。
お店に行ってもどれを選んで良いか、わからなくなるほど沢山種類があります。
良い墨は、どうやって選べばよいのでしょうか。
それはもっともです。
しかしお店ですることは出来ません。
一度すったらもう商品ではなくなるので、それは出来ません。
そこで、ひとつの方法ですが、それは良い墨は「姿もよい」ということです。
この墨を見てください。
これは古い墨です。今は古墨として愛用していますが、姿はよくありません。
特に赤い印の文字は明確ではありません。花びらの絵も、よく意図がわかりませんね。
どちらかというと、作りが雑です。
それに較べて、こちらはどうでしょう。
それほど高価な墨ではありません。3,000円程度の墨ですが、姿を見てください。
「鶴形」「漱金」という墨の表裏ですが、丁寧な作りをしています。
鶴の姿も明確で、きりっとしています。漱金の文字の青も落ち着きがあり、金粉の散らしもうるさくありません。
手頃な値段でいい墨だと思います。
その中の「秋月」と「烏石」いう墨の裏を見てください。
さすがに仕事が緻密ですね。こまかい丁寧な彫りを施しています。
一目見て、姿の良い、いい墨だと分かります。
高価な墨を求める必要はありませんが、手頃な墨でも姿を見て、きちんとした良い姿をしていれば、たぶん良い墨だと思います。
すってみなくても、姿をみて、よしあしが分かれば迷いません。
お店へ行ったら、是非、姿を見比べてください。そして、良い姿の物を選んでください。
大きな失敗はしない筈です。
如何でしょう。参考になりましたでしょうか。
そうやって選ぶと、選ぶのもまた楽しくなります。
では、皆様、良いお年をお迎えください。