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東京書芸学園スタッフブログ

「目習い」だけ

2013/10/17

どうも皆様こんにちは。Web担当の長尾です。
スタッフブログが旅行の話ばかりなので、
東京書道教育会に入ってから自分が「変わった」と
思えることを一つお話したいと思います。


やっぱり自分の「字」


察しの良い方は、
字が上手くなったとかそういうことでしょ?
と思われますよね・・・。


まさにその通りです(:3っ)っ


でも、先生について習ったり、テキストを勉強したわけではなく、
とあることで、
以前の自分と比較してというレベルで書き文字が上達したというお話です。




稽古事、芸事の三原則に「目習い、手習い、指習い(耳習い)」


こんな言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。


ただ黙々と記憶していく勉強と違い、
自分から進んで覚え、身に付け、習得するやり方ですよね。


仕事を覚える中でも、やり方は教わるものじゃない「盗む」ものだ、
「道」がつく習い事は先生から技を盗みなさいというお話でよく聞かれることと思います。



このうちの「目習い」がスタッフになってから自然と実践できていたことです。


この「目習い」という言葉は以前少しテキスト編集の内容に触れる機会があり、
その際、学習の仕方として知った言葉です。


この時いう「目習い」で学習効果がでる理由としては、

美しい字(お手本)をみているだけでも、頭の中にその形が定着し、
手で書く時(脳からその形をアウトプットする時)にお手本の形に
近づくというものです。


もちろん普段から少しずつ継続してやらないと身には使ないですよね。
私の場合は半ば仕事上必然、否応なしにという状況でもありますが・・・(汗
テキストや先生方のお手本、
会員の皆様から届く清書課題やお申込み用紙に書かれた文字など、
美しい文字に触れる機会が人一倍多く目で習っていたように思います。


字が上手くなった!とは言っても、
書き方のテクニックや、書く量そのものは学習されている方に、
遠く及ばないので修められるほど上達しているわけではありません。


ではどれくらい上手くなったのか

話題にするからにはそれなりの効果が・・・はい、ありました。


字の上手い下手の評価は様々あると思います。

私の場合、なぜ目習いの効果があったと思ったかというと、
以前から見知っている方に、

「字、上手くなったよねー長尾みないな字が書きたいんだよねー。」

とか、

整体(かなりの肩こりであちこちの院に行ってるので書く機会が多い)問診票
をこないだ書いた時、

「書道でもやってたんですか?すごく上手ですね」

と言われたりすることがあったからです。
また不意にこんな言葉をかけて頂けると嬉しいものですよね。


ただ、こういう時はたいてい、ゆっくり落ち着いて書いている時です。
普段は何かに急かされ、書くことにそこまで時間をかけることはできませんから
このようなコメントを頂くことは稀なわけですが。



調子に乗って、

先日は病床の友人のお見舞いと思い筆ペンで熨斗書きに挑戦しました。


ところがペンから筆に持ち替えると・・・なんとも惨憺たる結果。

筆記具の使い方一つとっても、
筆遣いなどは特にまた別世界なのだと思い知らされました。


最近は万年筆などで熨斗書きされる方もいらっしゃるそうですね。



そういえばこういった冠婚葬祭のみならず「お付き合い」ごとは、

実家にいる頃、「家」の単位で行っていた様に思います。


特にこういう熨斗書きはもう他界しましたが祖父が書いていました。

家を代表して書いているわけですから、
子どもながらにこれは家長の役割何だなと思い、
さらに言うとその字は上手だったと思います。


もう少しちゃんと見ておけばよかった・・・。


また熨斗袋は、コンビニで買いましたが、

表と裏面、中封筒と意外に書く場所が多かったです。

以前はこんなに書く欄が印刷されたものを見かけませんでした。

形式云々というよりは受け取った側の後処理のことを考えて、
昨今は書く欄が設けられているようです。

なんとも「お付き合い」もシステマチックになったものですね。
交際範囲が「家」ではなく「個人」になったから煩雑さが増えたからでしょうか。



受動的な字の「目習い」ではなく、能動的にやっていることを一つ。

お花を活けることでは「目習い」の機会をよく主体的に設けています。


華は師について習っているわけではないので上達のスピードが亀です。


ただ、すきこそもののなんちゃらで、実技は毎週のアレンジメント、
目習いは、よく有名華道家の方の展示や、大きな流派の作品展には足を運んでいます。


行きつけの花屋では、

季節の草木や珍しい植物の話、
様々な流派の昔の活け方が収録されている古書をすすめられたりしています。

確かに流行りのやり方とそうではない基本形の両方を知っていないと、
一本一本クセのある草木は活けられませんよね。


とあるお花の先生をやっている方には、
「基本があればあとは自由にやればいい、花は感性で活けるもんなんだから」
と言われたことがありますが、
その基本となる作法や知っておくべきことががたくさんあるような気がします。

この方も感性でお話をされている節があります(笑)



文字にしろ花にしろ、

ホントに突き詰めようとするとしっかり時間を取らなければいけません。
私は時間のやりくりが得意ではないので、趣味として嫌にならない程度で、気長に「目習い」を続けていきたいと思います。

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