2013/05/01
暮春の日、新緑の風に誘われて、建設当時の姿を甦らせた東京駅を見に出かけました。
▲丸ビル出口
▲丸ビルのプランターを手入れする人
丸の内線、東京駅で下車、丸ビルの裏側出口から地上に出て
御幸通りから大正時代の姿を甦らせた東京駅を目にする。
まるで、建設当時の姿の方が自然であるかのように、なんの違和感もなく建っている。
赤レンガと八角ドームの黒光りしたスレート、威厳漂う確かな存在感です。
▲皇居を背にして東京駅
▲中央口の屋根部分
明治時代の建築界のトップ、辰野金吾が設計し、6年の歳月を
かけ1914年(大正3年)3月19日完成。しかし、第二次世界大戦で炎上、
戦後少し背を縮め2階建に。
大正時代から戦前の昭和史の中で「陸の波止場」と言われるほど
大きな駅舎。目の前は皇居。帝都、大東京の中央駅としての東京駅。
欧米列強に肩を並べる国威を示すかのようなルネッサンス様式のデザイン。
戦前にはここから旅立つ人、帰る人、見送る人、迎える人がいたはず、
ここにいると、当時の人の声や靴音が聞こえるような気がします。
▲南口のドーム状八角形の屋根
▲ドームの屋根スレート
東京駅と言えば、昭和50年頃、大手町のサンケイ新聞ビルに
通う為、中央線 国立駅から東京駅まで通勤で利用していました。
東京駅北口ホールの中に大きな日本食堂があり、なぜか美味いとも言えぬ
カレーを帰りがけによく食べていたことを想い出します。
出来るものなら、甦った東京駅ステーションホテルで泊まり、
落着いたバーで一杯やりながら昔のことを静かに思う、そんな大人の
贅沢をしてみたいものです。
▲再現されたドームの壁面
「遅き日の つもりて遠き 昔かな」与謝蕪村
東條 勲
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